今季2度目の零封負けにも、巨人首脳陣はしっかりと〝兆し〟を感じていた。
9日の広島戦(マツダ)で巨人は相手より多い8安打を放ちながら、鯉先発・大瀬良に6回無失点と抑え込まれ後続も打ち崩せず。11残塁で0―2と零封負けを喫した。
ところが試合後の原監督は意外にも穏やかな表情。「打線の方も完封はされましたけど、だいぶ少しずつ動き始めてきていますね」とうなずくと、「最後の詰めの部分だろうね。そこが一番問題ではあるけれども、しかし、だいぶ動き始めましたよ」とバスに乗り込んだ。
参謀役の元木ヘッドコーチも「もうちょいだな。段々つながりも出てきているけど、あと1本というとこだね」とあくまで冷静だった。
その答えは4番・岡本和にあった。この日、岡本和が3月28日のDeNA戦(東京ドーム)以来となるマルチ安打をマーク。元木ヘッドは「ゼロよりはヒット出る方がバッターはうれしいし、(2打席目は)レフト前に強い打球だった。徐々に(調子が)上がってきている。(6回無死一、二塁での)二飛も紙一重だったし」と近く爆発を予感させる内容だったという。
ここまで打率1割9分1厘、本塁打ゼロ。昨季セ2冠王の復活なくして、巨人のリーグ3連覇はありえない。首脳陣が感じた予兆は果たして現実となるか。