全校児童・生徒は兄弟3人だけ 長崎の離島で温かな入学式 西海・江島小中 1960年には287人、過疎化で次第に減少

「おいしい料理を作れるようになりたい」とあいさつする柏木元樹さん=西海市立江島小中(同校提供)

 長崎県西海市崎戸町の離島、江島にある市立江島小中学校(本田清人校長)の全校児童・生徒は島で暮らす兄弟3人だけ。うち、真ん中の柏木元樹さん(12)が中学に進学し、7日、小さくも温かな入学式があった。
 江島は人口約100人の漁業の島。崎戸港からフェリーで約1時間の五島灘にある。同校は1960年には小中合わせて287人の児童・生徒がいたが、過疎化で次第に減少。現在は元樹さんと、兄大樹さん(中3)、弟江樹君(小5)の3人だけになった。
 式には保護者や教職員、地元住民ら33人が出席。本田校長が「将来の夢を見つけ、その夢に向かって心も体も学力も大きく成長することを期待している」と式辞を述べた。
 元樹さんは「勉強と部活のバドミントン、家の手伝いを頑張りたい」と決意。島で料理店を開くことが夢で「お父さんや兄の漁や、家の手伝いを頑張って、おいしい料理を作れるようになりたい」と笑顔であいさつした。

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