【富士フイルム・スタジオアリス女子OP】プレーオフ制した稲見萌寧の勝因はメンタルコントロール

稲見萌寧

ゴルフの国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日(11日、兵庫・花屋敷GCよかわC)は通算5アンダーで並んだ稲見萌寧(21=都築電機)が小祝さくら(22=ニトリ)とのプレーオフ2ホール目でバーディーを奪って優勝した。2週連続V、今シーズン4勝目の裏には冷静なメンタルコントロールがあった。

この日の稲見は単独首位で迎えた18番でボギーを叩いて小祝とのプレーオフに。今年に入ってからのツアーで2勝ずつを挙げている同士の一騎打ちに「(プレーオフに)もつれ込んでしまった、と考えると気持ちが下がる。さくらさんとのプレーオフは楽しくなると思った」との心意気だったことを明かした。

過去2回はいずれも勝っていたとあって「プレーオフには自信があります」とも。これらを聞くと、相当強いメンタルの持ち主に思える。

この日のスタート前は「ショットの調子が良くなくて、テレビ電話で見てもらいながら練習していた」という状態。始まってみればフェアウエーを外したのは1回だけながら、パーオン率は67%しかない。風のジャッジが上手くいかず、5~6メートルに乗せても「ひと筋違って入らない」という状態が続いた。

ストレスがたまる状況。強いメンタルの持ち主なら、自分を奮い立たせて気合を入れそうなものだが「あまり奮い立たせると、どこかで疲れてしまうので」とそれはせず。流れが来るのを待つと、15番パー3で風の読みがピタリと合い、70センチに付けてバーディー。これで流れをつかむと16、17番もバーディーを奪った。

そして最後のプレーオフ2ホール目は、8メートルで上りの軽いスライスラインを見事に読み切り「決めるつもりで打った」バーディーで勝利をモノにした。

稲見は今年に入って6戦で3勝と驚異の勝率。「疲れはピークを越えてます」という中でも勝つメンタルコントロールの上手さは、目標のメジャー優勝に向けて強い武器になりそうだ。

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