孫興民の判定騒動が人種差別問題に発展 対戦相手のマンUサポ―ターが SNSで罵詈雑言

マンチェスターユナイテッド戦に出場した孫(左=ロイター)

イングランド・プレミアリーグのトットナムに所属する韓国代表FW孫興民(ソン・フンミン=28)を巡る判定騒動が、人種差別問題に発展している。

11日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦の前半33分に、FWエディンソン・カバーニのゴールがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定で取り消しに。得点場面の前のプレーで孫がMFスコット・マクトミネイ(24)から顔をはたかれてピッチに倒れたことが原因だった。

ゴール取り消しの判定に、マンチェスターUのオーレグンナー・スールシャール監督(48)が激怒。試合後に孫と息子という意味の英語(ともにSON)をかけて「もしあれが私の息子で地面に倒れたままなら食事は与えない。恥ずかしいな審判は孫にだまされた」と孫を猛批判。これに対してトットナムのジョゼ・モウリーニョ監督(58)が「他クラブの選手に対して夕食は与えないだと? 本当に悲しいな。でも孫はラッキーだ。オーレよりも良い〝父親〟がいるからな」と応酬して遺恨がぼっ発していた。

ただ、騒動はこれだけで終わらなかった。

怒りが収まらないマンチェスターUのファンやサポーターがSNS上で孫を〝総口撃〟。韓国紙「スポーツ東亜」によると「犬を食う人間が!」「犬だけでなく猫やコウモリでも食ってろ!」などと罵詈雑言が浴びせられた。さらに韓国テレビ局「スポTV」によると「このアジアンDVDダイバーが!」との暴言も。英国では不法滞在アジア人が違法DVDを道端で売ることを指して〝DVD〟がアジア人に対する蔑称として知られている。

こうした集中砲火に、トットナムはクラブ公式SNSで「私たちの選手の一人がひどい人種差別の被害にさらされている。最も効果的な措置を決定するためにプレミアリーグ事務局とともに調査に乗り出す」と表明。英サッカー界で大きな波紋が広がりそうだ。

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