おもてなし大切に 本県観光テーマに講演会

本県の観光の歴史について話す岩切達郎さん

 「宮崎の観光の歴史を語り継ぐ集い」(実行委主催)は11日、宮崎市民プラザであった。宮崎交通元社長岩切達郎さん(85)と、こどものくにの元ガーデナー川越健(たけし)さん(93)が登壇。約30人の市民が熱心に耳を傾けた。
 岩切さんは「宮崎観光の父」と呼ばれた、父・章太郎さんが1930年代に取り組んだ、道路脇にフェニックスなどの植物を植栽した事業を振り返り、「大地に絵を描くという理念で、南国らしい美しい観光地をつくりあげた」と話した。今後の発展のためには、「おもてなしの心を大切にしていくこと」と提言した。
 川越さんは、章太郎さんが同園に植栽する花を頻繁に植え替えていたことを紹介。「訪れるたびに、次はどう変わっているだろうと期待させることで、人の絶えない施設をつくった」と思い出を語った。
 受講した宮崎交通勤務経験のある、福祉施設職員の平川和美さん(49)=都城市=は「社員の頃には知らなかった、生まれる前の話が聴け、有意義だった」と話していた。

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