経済効果1200億円超! “救世主” 松山英樹「マスターズV」が日本にもたらす超特大恩恵

これまで以上に「大きな存在」となった松山英樹(ロイター)

救世主だ! 男子ゴルフの海外メジャー「マスターズ」を日本人として初制覇した松山英樹(29=LEXUS)が、驚がくの経済効果が生み出す。これまでも日本のトップ選手として活躍してきたが、ゴルフ界の頂点の大舞台で優勝したことで、一躍〝世界のスーパースター〟の仲間入り。今後は天文学的なビッグマネーが動くことが確実視されている。新型コロナウイルス禍で苦境に直面する日本経済を救う存在にもなりそうだ。

見事にグリーンジャケットをゲットした松山は「僕がここで勝ったことで、テレビで見ている子供たちが5年後、10年後、ここの舞台に立って、その子たちとトップを争うことができたら、すごくうれしい。そのためには、まだまだ僕も、この先、勝っていかないといけない」と堂々と宣言した。

この光景を見たプロ、アマ問わず日本のゴルファーへ与えるインパクトは絶大だ。コロナ禍で開催が危ぶまれているとはいえ、東京五輪に出場する他種目のアスリートらスポーツ界全体に大きな刺激を与えた。

ただ「マスターズ」チャンピオン効果はそれだけにとどまらない。とんでもない経済効果にもつながりそうだ。

大手広告代理店関係者は「マスターズはゴルフ界で特別な大会で、しかも市場規模が大きい米国で開催される注目度の高い大会でもある。そこで日本人、そしてアジア人として初優勝という結果はインパクトが非常に大きい。スポンサーのオファーが殺到して本人の収入も変わるだろうが、ゴルフ人口の増加や関連企業の株価への影響、アジア市場への期待感も含めると計り知れない経済効果になる」と分析する。

まずは松山のスポンサー収入の大幅増が確実だ。現在、自動車メーカー大手トヨタ自動車の高級ブランド「LEXUS」や国内証券最大手の野村ホールディングス、用具使用契約で住友ゴム工業などと契約している。米金融メディア「スポルティコ」は現在の松山のスポンサー収入を800万~1000万ドル(約8億8000万~約11億円)と算定した上で、今後は大企業を中心に「50社程度のオファーが来る」と指摘して収入の大幅アップを確実視している。さらには現役生活の間に得るスポンサー収入は合計6億ドル(約660億円)に達すると予測した。

松山が動かすカネは自身の収入だけではない。夢舞台で頂点に立ったことで国内外のメディアで多くの露出が当面続き、松山が使用するクラブやボール、身につけるウエアやシューズ、サンバイザーなどの注目度も格段に増加する。当然メーカー各社もこの絶好機を活用して宣伝活動を多く行い、ゴルフ市場全体に大きな影響を与えることになる。

そうなると、関連株価の上昇が見込め、莫大なカネが動くことになる。さらに日本では若年層を中心にゴルフ人口の減少が懸念される中で、松山の活躍に今まで以上に関心を持ってゴルフ人口が増えることにも期待が大きい。市場が拡大すれば、多くの価値や雇用を生み出すことになる。

さらに米国での知名度も一気にアップし、国際的な大企業が松山との契約に乗り出せばそのブランド価値は世界規模に。グローバル展開で特にアジアでのゴルフ市場開拓に寄与することも期待できる。逆に日本企業が松山のブランド力を武器にして、これまで消極的だった海外進出を活発化させる可能性もある。

ゴルフ人口が増えて市場が拡大すれば関連企業だけでなく、コロナ禍の終息後にゴルフ場に足を運ぶ人も増えて現地での飲食関係にもプラスの影響が出る。今伸び盛りのeスポーツでもゴルフゲームやそのプレーヤーの増加など波及効果を挙げたらキリがない。

そうした経済効果を全て含めると「1200~1500億円くらいの規模になるのではないか」と前出の代理店関係者は試算する。今後の活躍次第ではさらに価値がはね上がる可能性もあるだけに〝松山効果〟は青天井と言えそうだ。

コロナ禍で先の見えない状況が続くが、〝ゴルフ界の怪物〟が日本経済の立て直しにも貢献することになる。

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