これがエースの投球だ! 巨人が16日のDeNA戦(横浜)に7―0で勝利し5連勝。先発の菅野智之投手(31)は、日本ハムの金子に並ぶ現役最多タイ・通算21回目の完封勝利で、待望の今季1勝目を挙げた。
終始、冷静な投球がさえわたった。初回の先頭打者・桑原にいきなり右前打を許したものの、続く牧を併殺打、オースティンから空振り三振を奪い得点を許さず。その後も走者を出しながらも貫禄の投球術でDeNA打線をほんろう。2度、得点圏まで走者を進められたが、最後まで本塁を踏ませなかった。
打っては打線が今季最多19安打7得点の猛攻で、エースを強力援護。菅野の初白星に花を添えた。
指揮官も「今日はボールも走っていたしね。理想的でしょうね」とたたえたエースの投球。菅野自身は「ブルペンから良かった。直球を軸にして両サイドに投げ分けられた」と冷静に自己分析すると、こう続けた。
「やっぱり縦の変化を勝負所で使いましたし。(大城)卓三も(炭谷)銀仁朗さんも信頼してサインを出してくれているんで。フォークがすごく良かったです」。
現役最多タイとなる完封記録も打ち立て、名実ともに日本球界を代表する名投手となった右腕。これには喜びもひとしおで「すごいですね。本当にうれしいです。やっぱり完封っていうのは何物にも代えられないんでね。良かったです。嬉しいです」と、クールなエースにしては珍しく、喜々とした表情を見せた。
4年連続7度目の開幕投手を務めた3月日のDeNA戦(東京ドーム)では6回3失点で勝ち負けが付かず、その後は脚部不安で登録を抹消。再昇格後は9日の広島戦(マツダ)で7回2失点と好投したが、援護点に恵まれずに黒星を喫しており、この日の勝利は待ちに待ったものとなった。
エースの復活で本流に乗った原巨人。さらに勢いが増しそうだ。