〈糸魚川市長選・市議選〉17日まで選挙戦 市長、市議各候補者 最後のお願い

 糸魚川市長選挙、同市議会議員選挙は17日、選挙戦最終日を迎える。各候補者、各陣営は午後8時まで、街宣車や街頭演説で熱のこもった「最後のお願い」を呼び掛ける。

◇接戦の情勢受け票上乗せに注力 市長選

 現職の米田徹氏(72)、新人の久保田郁夫氏(63)の一騎打ちになった市長選。両陣営は、最終盤の情勢を「大変厳しい接戦」「あと一歩の勝負」などと分析。「戦い方が違って、かみ合わない」「票が見えにくい」との声が聞こえる。

 米田陣営は、自民党の糸魚川・能生・青海3支部、地元経済団体やセメント会社などの支援を軸に基礎票を固め、保守系の市議候補らと共闘し票の掘り起こしを図ってきた。

 中村康司・選対本部長は「公務、災害、コロナ対策で出遅れがあった。どこまで挽回できたか最後の最後まで勝負」と話す。

 久保田陣営は、寺島・横町区、海洋高同窓会・能水会などの支援、糸魚川高時代の友人、教え子らの協力で草の根戦を展開。地元の市議候補らと連動し支持拡大を図ってきた。

 渡辺保・後援会長は「手探りの中、1票1票の積み重ねでここまできた。失速なく最後に追いつき、逆転したい」と話した。

 有権者の一人、能生地域の50代女性は「新人の主張に勢いがある。市政も進化しなくてはならないと思う。現職は実績がある。経験を生かした新しい市政にもう1期かけたい思いもある」とどちらに投票するか決めかねていた。

◇当落線は僅差か 手探りの選挙戦 市議選

 定数18に対して8人超過の26人が立候補した同市議選は現職13人、元職1人、若手や女性も含めた新人12人の混戦模様。コロナ禍の影響もあり「読めない、見えない選挙戦」の展開となっている。

 選挙期間中、各候補者は街宣車で市全域を回って有権者へ浸透を図った。情勢を見極めながら票読みをし、終盤への戦略を練った。ベテラン候補の一人は「トップ(当選)がどれだけ票を取るか、投票率にもよるが当落ラインは800~700票あたりでは」とみる。当落は僅差の接戦が予想される。

 糸魚川地域の現職候補の選対本部長は「街宣はゆっくり回り、候補本人は細かく立ってしゃべるようにした。最終日は街中を中心に攻めたい」と追い込みを掛ける。能生地域の女性候補の陣営スタッフは「新人で若いが有権者の反応はいい。後半にきて手応えがある」と勢いづく。

 一方、有権者からは「候補者が多いわりに静かな選挙」との受け止めがある。現職候補の支援者は「コロナのせいにしていられない。最後の最後まで全力を尽くす」と気を緩めない。

 前回市議選(平成29年)の投票率は72・02%。トップ当選が1926票、最下位当選が760票だった。

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