伊藤市長銃撃から14年 長崎から暴力排除を 「いのち守る」市民集会

安全安心な町づくりを呼び掛ける田上市長(中央)=長崎市民会館

 2007年、長崎市長だった伊藤一長氏=当時(61)=が市長選のさなかに射殺された事件から17日で14年を迎えた。事件を受け発足した「暴力追放『いのちを守る』長崎市民会議」(会長・田上富久市長)はこの日、同市内で2年ぶりに市民集会を開き、参加者は暴力のない社会の実現へ決意を新たにした。
 会議は防犯団体や行政機関などで構成。「暴力追放『いのちを守る』長崎市民集会」を08年から毎年開いていたが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大により中止した。今年は例年実施していたパレードを取りやめ規模を縮小した。
 田上市長は「暴力を追放し、安全安心な町を守るというのはコロナ禍でも重要な課題」と強調。今年の長崎開港450周年に触れ、「長崎は人の力で築かれてきた町。よりよい町になるよう、一歩一歩前進していきたい」と語った。
 参加者は、コロナの感染者や医療従事者への中傷などを含む「市民の生活に不安や脅威を与える全ての暴力や差別」を許さず、「国際平和文化都市である長崎からあらゆる暴力を排除する」ことを誓う宣言を確認した。
 会議の会員ら約110人が参加した。

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