仕組みに感動 「QRコード」収集する柏木さん 新聞、チラシ、まちなかでも…手軽で便利

スクラップ帳にスマートフォンをかざす柏木さん。いずれは集めたQRコードで百科事典を作るのが目標だ=長崎市福田本町

 長崎市福田本町の柏木茂紀さん(80)は、新聞やチラシなどに載っている2次元コード「QRコード」を集めている。白黒のモザイク模様をスマートフォンのカメラで読み取るだけで、さまざまなウェブサイトに接続できる技術に感動した柏木さん。友人らにQRコード収集の魅力を伝えつつ、「集めたQRコードで自分だけの百科事典を作りたい」と夢見ている。
 QRコードは1辺が数センチ程度の白黒の正方形で、モザイク模様の配列で文字や数字などを表現する。自動車部品メーカーのデンソーが1994年、物品管理作業に使うため開発。横長のバーコードより情報量が多く、印刷物の他にも電子チケットの発行や電子決済など、物流や小売り、医療といったさまざまな分野で広く使われている。
 柏木さんがQRコードと出合ったのは5年ほど前。地元企業を定年退職後に中小企業支援の仕事をしており、企業資料に載っていた不思議な模様に興味を引かれた。当時はスマホを持たなかったが、3年ほど前にスマホに買い替え、今年に入ってから新聞などに掲載されているQRコードを読み取るように。動画サイトや申し込みフォーム、ネット予約サイト…。「驚くような情報量で、不思議な仕組み」と感動した。
 柏木さんは毎日、QRコードを探しながら新聞を読み、興味のある情報を見つけてはコピーして切り抜く。「食」や「宿」、「応募」などに分類してスクラップ帳に貼り付けている。紙面に限らず、宿泊した旅館の箸袋や、ダイレクトメール、パンフレットなど、あちこちでQRコードを集めている。
 「パソコンで検索するよりも手軽で、とても便利。毎日の新聞やまちなかでQRコードを探すのが楽しみ」と語る柏木さん。小さな正方形が新たな世界を開いてくれる。

© 株式会社長崎新聞社