自らの背中をアート作品として売った難民描く アカデミー賞ノミネート作「皮膚を売った男」公開決定

第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされている「皮膚を売った男」が、2021年晩秋より公開されることが決まった。

「皮膚を売った男」は、現代アートの巨匠からあるオファーを受けた難民サムの物語。オファーとは、大金と自由を手に入れる代わりに背中にタトゥーを施し、サム自身が“アート作品”になることだった。離ればなれになっていた恋人に会うためにオファーを受けたサムだったが、次第に精神を追いつめられていく。

第77回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門(映画の新しいトレンドを紹介することを目的とした部門)でプレミア上映が行われ、主演のヤヤ・マヘイニが男優賞を受賞した。他にも多くの映画賞を受賞したほか、4月26日(日本時間)に発表される第93回アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートされている。

主演のヤヤ・マヘイニのほか、「007 スペクター」などのモニカ・ベルッチ、「Uボート:235 潜水艦強奪作戦」のケーン・デ・ボーウなどが出演。監督は、アカデミー国際長編映画賞のチュニジア代表に選ばれたことがあるカウテール・ベン・ハニアが務める。

監督のカウテール・ベン・ハニアは、「主人公のサムは自分の背中を”アート作品”として売ることで、思いもよらない形で現代美術の世界へ足を踏み入れます。ファウストが悪魔と契約したように、恵まれた人と呪われた人とが契約を交わしたのです。現代美術と難民は全く異なる世界ではありますが、この2つの世界が映画の中で対比することで“自由”について考えさせられるものとなっています」とコメントを寄せている。

【作品情報】
皮膚を売った男
2021年晩秋Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給:クロックワークス
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