ロメロかオリックスの救世主になる!? 遅れていた助っ人の合流で戦力が一変

オリックスのロメロが救世主になる!?

【広瀬真徳 球界こぼれ話】4月中旬のプロ野球界といえば、例年なら各チームひと回りの対戦が終了。その経験をもとにライバル球団の動向や総合力を分析するのだが、今季に限ってはやや様相が異なる。今週から新型コロナの影響で来日が遅れていた外国人選手がスタメンに加入することで各チームの戦力が一変する可能性があるからだ。

外国人選手は各チームの戦力を測るうえで中心的な役割を担う。現在リーグ下位に沈む球団も新戦力の活躍次第では一気に上位浮上が期待できる。その動向は侮れないだろう。

では今後、どのチームの新助っ人が「救世主」になり得るのか。普段取材するパ・リーグ内で打者を一人挙げるなら2年ぶりに古巣オリックスに復帰したステフェン・ロメロ外野手(32)である。

現時点でどこまで状態が仕上がっているのかは定かではない。ただ、彼の強みは日本球界での実績と経験だ。今季で日本でのプレーは5年目になる。昨季所属した楽天では6月中旬に公式戦開幕がずれ込んだにもかかわらず序盤から打撃が好調。開幕から10試合で打率4割4分4厘、4本塁打、7打点の猛打で楽天の開幕ダッシュをけん引した。ロメロの対応力、適応力は他の助っ人と比較しても群を抜く。この実績に鑑みれば今季働き場がオリックスに戻るとはいえ、一軍合流直後からチームを浮上させる存在になる可能性が高い。

今季のパ・リーグには他にも注目すべき新外国人選手が多数いる。たとえば米メジャー通算922試合出場で計778安打を積み上げたロッテのアデイニー・エチェバリア内野手(32)や2014年にレッドソックスと7年総額77億円(推定)の破格契約を結んだことが話題になった楽天のルスネイ・カスティーヨ外野手(33)。変わり種では野球選手でありながらオフにはラッパーとして活動する日本ハムのロニー・ロドリゲス内野手(29)もチームの起爆剤になり得る面白い存在と言える。

それでも上記3選手は日本でのプレー経験がない。同じ野球とはいえ配球や攻め方、環境がメジャーとは大きく異なる日本球界。適応に向けての時間が必要であることを考えれば、パ・リーグ投手陣を熟知するロメロの優位性は揺るがないのではないか。

☆ひろせ・まさのり 1973年、愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心にゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。

© 株式会社東京スポーツ新聞社