南足柄市の広報誌 広告費を活用、全戸配布へ 自治会未加入世帯にも

「きんたろう便」の配布イメージ(南足柄市提供)

 市政情報の発信力強化や自治会の負担軽減に向け、神奈川県南足柄市は官民連携で、市広報誌を全戸配布する「きんたろう便」を始める。ポスティング費用を民間企業の広告を募って賄う。市は「より多くの市民に必要な情報を届けたい」としている。

 28日から配布されるのは「広報みなみあしがら」「みなみあしがら議会だより」「社協みなみあしがら」のほか、市からの重要なお知らせなどの配布物。企業の広告とともに各世帯のポストに配られる。

 市によると、これまで広報誌などは各自治会を通じて各家庭に配布。ただ、自治会の加入率は昨年10月時点で68.1%で、市内全約1万6600世帯のうち、自治会未加入の約5300世帯に配布できていなかった。配布事務を担う自治会の負担も課題だった。

 こうした状況を受け、小田原市内にオフィスを置く広告業「MMクリエイティブコネクト」(東京都新宿区)が2019年、民間企業の広告費を活用した配布方法を市に提案。広報みなみあしがら21年1月号の発行時に実証実験を行い、地元企業からの広告の申し込みが多かったことなどから、本格的な実施を決めた。実証実験では約99%の世帯に配られたという。

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