「記念日男」日本ハム・中田が誕生日に屈辱…栗山監督の “荒療治” は吉と出るか

ベンチでうつむく日本ハム・中田

英断か、それとも…。日本ハムの中田翔内野手(32)が自身の誕生日だった22日のロッテ戦(ZOZOマリン)で屈辱のスタメン落ちを喫した。

昨季リーグ打点王は開幕からチームの主砲として君臨。7日のソフトバンク戦の試合途中にベンチ裏で右目を負傷した影響で8日の同戦こそ欠場したものの、それ以外は主軸としてスタメンに名を連ねていた。もっとも、バットの方はシーズン開幕直後から湿りっぱなし。この日までの今季通算成績は20試合で打率1割8分9厘、2本、7打点。ここ3試合も11打数1安打と精彩を欠いていたことから栗山監督も荒治療を施したのだろう。

ただ、この指揮官の思い切った判断。チーム内外から「誕生日にスタメン落ちさせる必要があったのか」という疑問の声も上がっていた。中田は記念日や注目される試合に限れば好不調問わず無類の強さを誇るからだ。

楽天・田中将が今季初登板した今月17日の試合(東京ドーム)で2本塁打、3打点と突如爆発したように、中田は良くも悪くも「気分屋」。極度の不振でも大舞台や特別な試合は別人のように活躍し、その後上昇気流に乗る傾向がある。

誕生日に試合があった3年前の2018年4月22日(ソフトバンク戦)も3点本塁打を含む4打数2安打5打点。自ら祝砲を挙げチーム大勝を導いた。この〝法則〟を考慮すれば、この日のスタメン外しは効果的だったかどうか。むしろ本人のやる気を空回りさせてしまった恐れも否めない。

主砲を欠場させロッテ戦に勝利。チームの連敗を「3」で止めた栗山監督は試合後、中田に関して問われると「今日は…。勝ちやすい形をいつも作っているから」とだけ言い残し球場を後にした。

あえて突き放す格好を取った指揮官の劇薬は失意の長距離砲の胸に届くのか。

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