巨人・岡本和が逆転招集で目指す「東京五輪出場」 恩師の一喝で日の丸背負う決意固めた!

侍・稲葉監督が視察する試合で岡本和は3打数無安打に終わった

復活を遂げて恩師との約束を果たせるか――。開幕から18試合で打率1割7分2厘、1本塁打と不振に陥っている巨人の4番・岡本和真内野手(24)が逆転での東京五輪出場を目指す。代表とは距離を取っていたが、恩師である侍ジャパン・井端弘和コーチ(45)との「男の約束」で日の丸を背負う決意を固めたという。

巨人―中日戦(15日、東京ドーム)を侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)、建山義紀コーチ(45)、井端コーチらが視察。巨人は松原が2号先頭弾と2点適時打で3打点の活躍を見せれば、梶谷が4打数4安打1打点と固め打ち。先発・高橋が8回1失点の好投で今季3勝目をマークした。投打がかみ合った巨人が5―1で4連勝を飾った。

監督通算1100勝となった原監督は「打のMVP」と松原をほめると、高橋には「ひとつ超えたのかな。ナイスピッチング」とうなずいた。

だが稲葉監督にとって遊撃候補・坂本と並んで〝お目当て〟だったGの主砲は3打数無安打。打率1割7分2厘まで低下した姿に稲葉監督は「和真はまだちょっと本調子ではないかな」と首をかしげた。

それでも「ここからどう上げていくか。国際大会は調子が悪くても『自分が何をやっていけるのか』と切り替える必要もある。ジャイアンツの中で、和真が切り替えて、守備は守備でやっているのか、そういうところも今、見ている」と〝復調力〟を見極めるという。

岡本和にとって五輪出場は大きな目標のひとつ。そのきっかけは恩師である井端コーチだった。実は一時期、背番号25は「ボクには代表は関係ないです」と侍ジャパンに背を向けていた。

発端は初代表となった18年11月の日米野球。胸を躍らせて臨んだが第1戦で4タコを喫し、その後は打順が下がり続けた。第5戦でようやく初本塁打も結果は19打数4安打、打率2割1分1厘。19年3月の強化試合・メキシコ戦でも3打数無安打に終わり、通算成績は打率1割8分2厘、1本塁打と結果が出なかった。優勝に沸いた19年11月の「プレミア12」でも未招集。それでも「若き4番」として巨人を5年ぶりリーグVに導き、ある程度、満足していた。

そんな岡本和に「カミナリ」を落としたのが、恩師である井端コーチだった。18年まで巨人の内野守備走塁コーチを務め、岡本和も「ほぼ毎日、LINEしていました。コーチをされていた時もバッティングのアドバイスをもらってたし、ワンポイントが的確でありがたかった」と慕っていた。

「岡本和が井端コーチに『代表に興味がない』と話したところ、同コーチから『巨人の4番は日本の4番だろ。小さな枠に収まっちゃダメだ。代表で鈴木誠也(広島)と一緒に練習をしたり、他の一流選手と同じ空気を吸うだけでも意識が変わる。(代表に)推薦できるだけの成績を残せ』と怒られたそうです」と巨人関係者は明かした。

師匠の一喝で考えを改めた4番は開幕直後からアピールできるようにオフに必死に調整。五輪は1年延期となったものの、自身初タイトルとなる2冠王につながった。

五輪選考は5月中旬から6月上旬に行われる。三塁は侍の精神的支柱である松田(ソフトバンク)、若さと長打力の村上(ヤクルト)らがライバル。岡本和が残り2か月で逆転招集を勝ち取るだけの成績を残せれば、巨人のV3にとっても大きな力となる。

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