好調オリックス “ラオウ” 杉本が奮起! おかげでじっくり調整できる人

22日にはサヨナラ打を放ち、西武戦3連勝に貢献したオリックス・杉本

オリックスが波に乗ってきた。22日の西武戦(京セラドーム)は3―6と劣勢で迎えた9回の土壇場、二死満塁からT―岡田の走者一掃の右越え適時三塁打で同点に追いつくと、続く〝ラオウ〟杉本裕太郎外野手(30)が三遊間を破って劇的サヨナラ勝ちを収めた。

試合後、T―岡田がお立ち台で「ラオウに〝絶対つなぐから任しといて〟と言って打席に入った。調子? 絶好調です!」と叫べば、杉本も「Tさんの香水をつけたので打てました。Tさんも僕の香水をつけたので打てたと思います」と明かして爆笑を誘った。中嶋監督も「誰1人あきらめていなかった。それが結果として出てよかった。すごいなと思います」と目を細めた。

今季初の3連勝で4位・西武に1・5差としたオリックスだが、打線好調の背景には2年ぶりに復帰したステフェン・ロメロ外野手(32)の存在がある。2週間の待機期間を経てロメロは21日から二軍戦に出場。一軍が得点力不足で苦しんでいただけに早めの合流が期待されたが、キャンプも参加できず、実戦からも離れていることで中嶋監督が「時間をかけてでも100%の状態にするよう」とロメロに厳命。それまで一軍の野手陣が踏ん張らざるを得なくなった。

この状況に奮起したのが杉本だ。190センチ、104キロの恵まれた体格で広角に打てる長距離砲。吉田正とともにポイントゲッターとなって打線をけん引する杉本にチーム関係者は「ラオウが頑張ってくれているのでロメロが急がずに調整できる。デカくて今までのウチにいなかったタイプだし、相手からしたら怖い存在になっている。この状態で万全のロメロが合流すればさらにチームが強くなるでしょう」と見ている。

混戦ムードのパ・リーグだが、もっとも怖いのはオリックスかもしれない。

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