幻のロケット戦闘機「秋水」の映像作品制作で横須賀取材 長野の高校生

「秋水史料研」の佐久間則夫さん(右)の解説を聞き、ドキュメント制作に取り組む松商学園高の放送部員=11日、横須賀美術館

 旧日本陸海軍が開発を進めた幻のロケット戦闘機「秋水(しゅうすい)」をテーマにしたドキュメントを制作するため、長野県松本市の松商学園高放送部員3人が、秋水に関する展示が開かれていた横須賀美術館を今月訪れた。同高が戦時中、秋水のエンジン開発を担った陸軍の実験場だったことから身近なところにあった戦争を伝えたいという。

 3人は、3年の澤柳壮一郎さん(17)、2年の桑島直暖さん(16)、輪湖小雪さん(16)。3月に同高であった秋水研究者の会見をきっかけに「学校の歴史の一部として残したい」(桑島さん)と制作を決めた。

 横須賀では「秋水史料研」の佐久間則夫さん(66)や、展示で公開された秋水のエンジン部品の一部などを所蔵する平田直俊さん(68)らにインタビュー。秋水の史料の意義や戦争に対する考えなどを聞いた。

 亡父が陸軍の技術将校として同高で秋水に携わっていた平田さんらを取材し、澤柳さんは「リアルな声を聞くことができた」、輪湖さんは「同年代にも戦争の悲惨さを知ってほしい」と制作に意欲を示した。作品は、NHK杯全国高校放送コンテストに応募する予定だ。

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