ベーブルース以来の快挙!エンゼルス・大谷 リアル二刀流で1072日ぶり白星 打者では2安打2打点

投手として1072日ぶりの勝利を挙げた大谷(ロイター=USA TODAY)

エンゼルスの大谷翔平投手(26)は26日(日本時間27日)に敵地テキサス州アーリントンでのレンジャーズ戦に「2番・投手」のリアル二刀流でで先発し、5回を3安打4失点、5連続を含む9三振3四死球で2018年5月20日のレイズ戦以来となる1072日ぶりとなる今季初勝利をマークした。打っては2点適時二塁打を含む3打数2安打2打点3得点。チームは9―4で圧勝した。1921年6月13日のヤンキースのベーブ・ルース以来となる本塁打トップの選手が先発登板という歴史的快挙を白星で飾った。

2回以降は別人だった。指にかかったMAX99マイル(約159キロ)のフォーシームがうなりを上げてストライクゾーンに決まり、スプリットはえげつなく落ち、スライダーは真横に曲がる魔球。これではレンジャーズ打線もお手上げ。引き立て役に回るしかない。

圧巻だったのは4回だ。先頭の右打者ソラックはカウント2―2から5球目、内角のボールゾーンからストライクゾーンに曲がるフロントドアのスライダーで見逃し三振。続く左打者のドールはスプリットを3球続けて空振り三振。3人目の左打者のホルトはフルカウントからの6球目、外角のボールゾーンからストライクゾーンに滑ってくるアウトドアのスライダーで見逃し三振に仕留めた。3回の3人目ガルシアから4者連続三振とした。

5回も先頭トレビノを外角のスプリットで見逃し三振を奪って、5者連続に伸ばした。1番カルフーンが一ゴロ、2番カイナーファレファに中前打されるも、3番ギャロをスプリットで見逃し三振を奪って勝利投手の権利を手にした。

初回、先頭打者の不運な安打と四球で無死一、二塁とすると3番ギャロに先制3ランを浴び、さらに連続四死球と暴投で一死二、三塁として犠飛を右翼に打たれていきなり、4失点したが切り替えて復活した。

投げるだけではなく、バットと俊足で自ら勝利を呼び込んだ。3点を追う2回二死一、二塁では相手先発の右腕ライルスの1ボールからの2球目、内角高めのボール球の93マイル(約150キロ)のフォーシームをバットを被せるようにフルスイング。114マイル(約183キロ)の弾丸ライナーは右翼の芝生で弾むとあっという間にフェンスに到達し、2点適時二塁打となった。続くトラウトの左前適時打で生還し、同点とした。

6回には絶妙なバント安打を三塁前に決め、ウォルシュの中越え二塁打で8点目のホームを踏んでいる。初回には二塁から秒速29・3フィート(約8・93メートル)の驚異のスピードで先制点をマークした。

試合前の米メディアはルース以来の快挙に異様な盛り上がりを見せていたが、リアル二刀流の凄さを見せつけた大谷の活躍に報道はさらに過熱するだろう。この試合では99マイルのフォーシームを投げ、114マイルの弾丸ライナーを放ち、秒速29・3フィートで塁間を疾走した。そんな選手はメジャーでも1人だけだ。オンリーワンの存在感を発揮する背番号「17」。今季は投打でどんな数字を残してくれるのか。楽しみしかない。

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