丹沢大山で登山者数を計測する機器に不調が続いていた問題で、神奈川県自然環境保全センター(厚木市七沢)は改善を図り、4月から本格運用を始めた。
設置箇所も11カ所から36カ所に増やし、主稜線での登山者の動向把握を目指す。長年の課題だったオーバーユース(過剰利用)への対応に向けて収集データの結果が注目される。
同センターによると、「登山者カウンター」の設置は2008年度にスタート。東丹沢で人気が高い塔ノ岳(秦野市など)に向かう大倉尾根や表尾根、鍋割山(同)、大山(伊勢原市など)の主要登山道で10年間にわたって順次、11カ所に設置した。
機器は太陽光パネルで発電して稼働する仕組み。機器の前を通過する登山者を赤外線センサーで自動計測し、内蔵したメモリーを回収してデータを収集・分析するはずだった。
しかし、誤作動が多いなど、データの信頼性が疑われてこれまで公表を見合わせてきた。誤作動の要因としては▽季節によって樹木がパネル面を覆うほか、通過する登山者が多いことによる電力低下の発生▽稜線を立ち上る特有の霧や風で揺れる草木も計測する─などが判明した。