かれんなネモフィラ、松田の新名所に コキアの里で見頃

ボランティアが手塩にかけて育てたネモフィラ=松田町松田惣領の「コキアの里」

 松田山の耕作放棄地を利用して整備された「コキアの里」(神奈川県松田町松田惣領)で約8千株のネモフィラが見頃を迎えている。小さくかれんな瑠璃色の花々が春風に揺れ、登山客らを楽しませている。

 コキアの里は同町の飲食店主・飯田勝宏さん(76)らが2019年、新たな町の名所にしようとコキアの名所「国営ひたち海浜公園」(茨城県)をモデルにして整備。昨秋は約3千株のコキアが山肌を赤く染め、約1万2千人が足を運んだという。

 ネモフィラは瑠璃唐草とも呼ばれる1年草。同公園はネモフィラの名所でもあり、コキアの里でも新たな目玉として昨年11月、約1万5千株を植えた。

 町内外の20人以上のボランティアとともに手塩にかけて育てていたが、霜や虫の被害に遭って実際に花を咲かせたのは8千株。残った花を集めて植え替えるなど初めての試みは苦労続きだった。

 見頃は5月中旬まで続くといい、飯田さんは「河津桜が有名な松田山。ネモフィラとコキアで年間を通じて松田町へ観光客に足を運んでもらえるようにしたい」と意気込んでいる。

 コキアの里は西平畑公園の町自然館から徒歩5分。

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