戦時下の生活知って 大空襲76年、川崎市平和館で記録展

米軍による空襲被害などが紹介されている企画展=川崎市中原区の市平和館

 川崎市街地が焼け野原となった「川崎大空襲」から76年。戦争の悲惨さを後世に伝える記録展「戦時下の市民生活と川崎大空襲」が、市平和館(同市中原区)で開かれている。大空襲のあった4月15日を中心に毎年実施しており、同館は「展示を通じ平和の尊さを考える機会にしてほしい」と呼び掛けている。

 1945年4月15日の川崎大空襲では、米軍のB29爆撃機約200機が市内を中心に多くの焼夷(しょうい)弾を投下。軍需工場のあった中原区も標的となり、多くの市民が犠牲となった。

 今回で15回目となる記録展では、出征前に家族らと並ぶ姿や配給を待つ市民らを撮った写真などをはじめ、戦時下で貴重な食糧となった芋茎(ずいき)のレプリカ、戦争を推奨する文言が書かれたすごろくなどを展示。戦時下の市民生活をうかがい知ることができる。

 また、明治大学平和教育登戸研究所資料館(同市多摩区)が昨年の企画展で使用した説明パネルも展示。旧日本陸軍の秘密兵器製造などを担っていた「登戸研究所」について理解を深めることができる。

 5月5日まで。入場無料。毎週月曜日と第3火曜日は休館。問い合わせは、同館電話044(433)0171。

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