長崎県佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)で、イルカたちが筒状のおもちゃで遊んでいる。このおもちゃ、ボート選手の使用済みのズボンを譲り受け、同館スタッフが手作りした。
同館によると、イルカは歯が鋭く、おもちゃを与えてもかんですぐ壊してしまう。このため、これまで防弾チョッキなどに使用されるバリスティックナイロンでおもちゃを作っていた。
その話を聞いた日本モーターボート選手会長崎支部の飯山晃三支部長が、選手が着用するケブラー製ズボンの寄贈を提案した。同ズボンは落水した際にプロペラなどから身を守るため、高強度で防刃性に優れていて、選手はカッパの下に着用している。飯山支部長は「9カ月で替える必要がある消耗品。海に関することで再利用されるのはうれしい」と話す。
寄贈を受けた7着のうち4着で、同館スタッフが筒状のボールを製作。イルカたちはくわえたり、押したりして遊んでいる。イルカトレーナーの佐藤瞭一さん(27)は「特に子どもイルカのアイルが楽しんでいる。頑丈なのであと1、2カ月はもつと思う」と感謝していた。
同支部は、今後も継続的に同ズボンの寄贈を行う予定。