豪州の大物司会者「東京五輪取材辞退」でキャスターのボイコット加速か

海外の大物司会者は五輪現地取材を断念(ロイター)

オーストラリアの大物司会者が東京五輪の取材辞退を決定し、今後はキャスターたちによる五輪ボイコット運動が広がりそうだ。

新型コロナ禍が開催地の東京を中心に深刻化する中で中止や再延期を求める世論が急激に高まっている東京五輪。海外メディアでも開催を疑問視する声が高まっているが、ここにきて大きな動きが出てきた。

オーストラリア紙「ヘラルドサン」が「チャンネル7の有名なキャスターであるブルース・マカバニー(67)は五輪報道の権威だが、東京五輪には行かない」と報じたのだ。

マカバニー氏はオーストラリアのテレビ局「チャンネル7」の大物司会者で、1980年のモスクワ五輪から前回2016年リオデジャネイロ五輪まで夏季五輪は必ず現地へ赴いて取材を行い「ミスターオリンピック」の愛称を持つスポーツ報道の第一人者だ。

そんな世界的に影響力を持つマカバニー氏だが、新型コロナ禍が深刻化する日本の現状を鑑みて現地取材を断念。2017年に白血病を患っており、東京の感染状況が極めて危険な状況にあるとの判断から苦渋の決断に至ったようだ。

大物キャスターのこの決断は大きなうねりになる可能性がある。東京は感染の深刻化にも関わらず、東京都や組織委員会などは世論を無視して開催強行の姿勢を崩さない。海外メディアの間では国民の生命を脅かす無責任な方針として批判が高まっており、開催を疑問視する有名キャスターが東京五輪の取材を辞退する〝ボイコット〟の流れが生まれてもおかしくない。

世界的キャスターの英断が東京五輪を巡る暴走を止めることになるのか注目が集まる。

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