日本代表と東京五輪代表を兼務する森保一監督(52)が13日にオンラインで取材に応じ、新型コロナ禍の深刻化で東京五輪開催への悲観論が高まっている現状への複雑な思いを明かした。
この日で東京五輪の開幕まで100日となったが、東京や大阪を中心に再び感染者が急増しており、世論でも中止を求める声が根強い。
「五輪の開催が賛否あるのは認識しているし、コロナ禍で何が起きるか分からない。開催されないと考える方、反対という方もおられることも認識している。開催されることと開催されない、両方とも気持ちの中では持っている。生きるか死ぬかの問題を抱えている人や、すでに尊い命を失った人もいる。職を失って生きるか死ぬかの瀬戸際に立っている方もいる。いろんな企業も生存するかしないか、そういう方々もおられる」と厳しい現状を語ったうえで「我々が東京五輪で結果を出して、日本の国民の皆様に喜んでもらえるように準備する」と改めて強い決意を口にした。
東京五輪が中止となった場合も想定しているが、そうなっても悲観的な見方はしていない。
「もし五輪ができなかった場合は決定機関に従うだけで割り切って考えたい。東京五輪を目標としてきたが、たとえなくても選手たちの成長が大切。サッカー選手として、人として少しでも価値を上げることが大切なこと」と森保監督。「すでに東京五輪に向かって海外に行ったり、いろんな試合や活動をして、すごい環境を与えてもらって成長ができている。それ自体がすごくありがたいことで、選手の成長につながる経験をたくさんさせてもらっているのでポジティブに考えたい」とこれまでの活動自体が選手たちにとって財産になっていることを強調した。
東京五輪の開催は再び厳しい見通しになってきたが、森保監督は五輪代表の活動の意義を考えながら準備を進めていく方針だ。