門川のミカン畑再生へ 農作業とキャンプ計画

海を望むミカン畑の再生に取り組む熊野敏行さん

 門川町で熊野農園を営む熊野敏行さん(47)は、同町遠見半島・牧山地区のミカン畑の再生に取り組む。キャンプを組み合わせた農業体験を計画中で、「楽しみながら耕作放棄地解消を目指す」と意気込む。
 同地区は太平洋を望む丘陵地。温暖な気候で潮風を受けて育った「牧山みかん」の産地として知られる。同町によると、最盛期の1981(昭和56)年に72戸だったミカン農家は、高齢化や後継者不足で年々減少。現在15戸となり、耕作放棄地も増えている。
 約10年前に東京から移住した熊野さんは「農家を始める時にお世話になった」ミカン農家から、約4千平方メートルの畑の管理を依頼された。恩返しを込めて引き受けたが、自社農園の仕事で手いっぱいの状態。楽しく作業する方法として、今回の計画を思いついた。
 月1回、1泊2日で行い、夜は畑に張ったテントに泊まる。道具や昼食は熊野さんが用意し、夕食は持ち寄りでバーベキューをする予定。参加は熊野さんのフェイスブックやブログで、6月ごろから受け付ける。8月に開始し、今年は枯れ木の撤去や草刈り、来年は苗木を植え付ける。
 苗木や農業機械の購入などに充てるため、インターネットで資金を募る「クラウドファンディング」を5月末まで実施中。熊野さんは「仲間を増やし、活動を継続できれば他の農地でも展開できる。キャンプと農作業を楽しみつつ、地域を守っていきたい」と呼び掛けている。

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