【高校野球】田中将大を真似た“雄叫び”…初の関東大会に導いた千葉学芸エースの2連続完投劇

4安打1失点で完投した千葉学芸・北田悠斗【写真:川村虎大】

昨秋は専大松戸に15回を投げ、今大会も3完投

高校野球の千葉県春季大会・準決勝が3日、千葉県総合スポーツセンター野球場で行われた。初の4強入りを果たした千葉学芸は、成田に3-1で勝利。エース・北田悠斗投手(3年)が4安打1失点で完投し、初の関東大会出場に導いた。

1日の準々決勝から中1日のマウンド。結果だけ見れば2試合連続の完投も「一昨日の疲れがあって、本調子ではなかったです」。スライダーやカーブは抜け気味で、直球もキレは出ていなかった。

それでも、成田打線を4安打に封じ込めた。落ちる変化球と真っ直ぐを出し入れし、打者の打ち気を逸らした。高倉伸介監督は、有薗直輝内野手(3年)の登板も考えたというが「選手たちが北田で行きたいと言っていたので選手の意見を尊重しました。疲れも見えたが、間を取ったり、クイックを使ったりと工夫が見られた。思った以上に頑張ってくれましたね」と褒めた。

「うおりゃ!」

球とともに放つ北田の雄叫びは、スタンドの外まで聞こえそう。気持ち込めると自然に出るという声は、憧れの楽天・田中将大投手を真似たもの。「田中投手の気持ちで打者を打ち取るピッチングがかっこいいなと。グラブに『気持ち』と刺繍を入れているというのを知って、自分も気持ちを前面に出して投げようと意識しています」。昨秋は専大松戸を相手に延長15回を投げ切り、今大会もここまで3試合を完投。気持ちがエースを最後までマウンドに立たせる。

北田自身、練習用帽子のつばの裏に「気持ち」という文字を記している。しかし、この日被っていた帽子には何も書かれていなかった。「僕たちが目指しているのは甲子園。だから、試合の帽子に書くのは夏までとっておきます」。初の関東大会出場を決めたが、あくまで目標は夏の甲子園。千葉学芸のエースが、夏への“気持ち”を投球に込める。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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