マンUサポーター暴動でリーグ戦日程消化がピンチ リバプールは〝タナボタ〟で勝ち点ゲットも

警備を突破したサポーターはスタジアムを占拠した(ロイター)

2日(日本時間3日)に発生したイングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターが起こした大暴動は他チームの日程消化においても大きな影響を及ぼしそうだ。

欧州スーパーリーグ(ESL)構想に賛同したマンUのオーナー、グレーザー一族への反発から、サポーターは同日のリバプール戦前に本拠地オールド・トラフォードに集結した。警官隊と衝突しながら警備を突破してスタジアム内に侵入。発炎筒をたいたり、備品の破壊行為などを繰り返したことで、クラブ側は安全な試合開催は不可能と判断して試合の延期を決定した。

この暴動によって、対戦相手のリバプールは何とも微妙な位置に立たされた。試合の延期で代替日程を探す必要が出てきたが、これまで過密日程をこなしてきたたリバプールには延期試合を入れる日程の余裕がない。最終節は23日で動かすことはできず、その直前の第37節はミッドウイークの19日。考えられる策は、その前の36、35節のマンUとリバプールの試合日を1日ずつずらすなどして無理やり延期試合をはめ込むしかない。

だがこれでは最悪、中1日の試合が生まれる恐れがあり、英国内では「現実的ではない」との意見も多い。そこで浮上しているのが、マンUの「不戦敗」。英国サッカー連盟(FA)のルールブックでは、サポーターの行為で試合が中止された場合は再試合はなく、相手クラブに勝ち点を与える、という記載がある。英紙「ミラー」は、今回はこれが適用される可能性があると指摘している。ただ、今回試合の中止を決定したのは警察ということで、FAの規程が当てはまらないという指摘もある。

仮にマンUの不戦敗となればリバプールは勝ち点3を手にすることとなり、現在7位に沈むチームは一気に欧州チャンピオンズリーグ出場圏内の4位以内も視野に入ってくる。今回は暴動のあおりを食った形のリバプールだが〝タナボタ〟もありそうな流れだ。

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