〝赤い悪魔〟のサポーターが大暴走 欧州スーパーリーグ構想合意への抗議でリバプール戦延期

スタジアムの外では発炎筒もたかれ、物々しい雰囲気となった(ロイター)

2日(日本時間3日)に行われる予定だったイングランド・プレミアリーグで、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターがリバプール戦の前にスタジアムに乱入するなどの騒ぎを起こしたため、試合が延期される事態となった。

もともとこの試合は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため無観客で開催されることになっていたが、試合前から1000人以上のサポーターが本拠地オールド・トラフォードに集結。欧州スーパーリーグ(ESL)構想に合意したクラブオーナーのジョエル・グレーザー氏やその一族に対しての抗議活動を行い、警察ともみ合いになった末にスタジアム内になだれ込んだ。その際、ゴールポストによじ登ったり、機材を破壊する者もおり、クラブ側は安全確保が困難と判断して、試合の延期を決めた。

サポーターの一部は選手が滞在するホテルにも集まり、選手たちは身動きが取れない状況にもなっていたという。

ESLへの参加を表明していたマンUだったが、サポーターや関係者の猛反発を受けてすぐに撤退を表明。だが、以前からグレーザー一族への不満を募らせていたサポーターは抗議活動をやめず、辞任を求める動きは過激さを増している。4月28日にはクラブのエド・ウッドワードCEOの自宅がサポーターに荒らされるという事件も起こっている。

〝赤い悪魔〟の異名を持つマンUだが、今回は悪魔と化したサポーターからの激しい攻撃にさらされる事態に発展。チームはリーグ2位につける好調ぶりを見せているが、今後どんな結末を迎えるかは予断を許さない。

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