柔道のグランドスラム(GS)カザン大会第1日(5日、ロシア)で優勝を果たした、東京五輪女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)が6日、オンラインで一夜明け取材に応じた。
3月のGSタシケント大会でも優勝はしていたものの、決勝は不戦勝と不完全燃焼。また久々の大会で自分の動きができなかったことを反省していたため「自分の柔道を出し切ろうと思って臨んだ。組み手面で嫌っている相手にも冷静に対応できて、足技を出すことができた」と今大会での結果については満足げに振り返った。
準決勝ではスペイン選手相手に担ぎ技のフェイントから大内刈りを決めた。これには「狙ったわけじゃないが、大体(担ぎ技を)かけると後ろに下がったりするので、後ろの技を出せるように練習していた」としてやったりの表情。
今大会での映像を見て、自分が思うように動けていることを確認。「前回の大会だけでオリンピックにとなったら不安があったと思うが、今回の優勝は自分の力になったと思う」と自信を深めた。
出場がなかった、ライバルのマイリンダ・ケルメンディ(29=コソボ)やアマンディーヌ・ブシャール(25=フランス)との対戦については「(今大会で)やっておきたかったという思いはない。オリンピック本番でぶつかって勝負するしかない」ときっぱり。すでに王者の風格が漂う。
もはや五輪に向けては死角がないようにも思えるが「まだまだ準備が必要。残り3か月、組み手や技につなげる動きができていない部分があるので、最高のパフォーマンスが出せるよう、悔いなく準備をしていきたい」と気を引き締めた。