上越市市制施行50周年 合併アラカルト〈3〉博物館 旧高田市の事業継承 市民と共に歩む施設に

 昭和46年の高田・直江津両市の合併時、各所で公共施設の新設・増設が行われた。

 旧市の文化的側面を担う施設として企画・建設されたのが、「上越市立総合博物館」(同市本城町、現在の歴史博物館・小林古径記念美術館)。旧高田市が市制60周年(昭和46年)を記念し進めていた事業を引き継ぎ、昭和47年に開館した。総工費約1億3300万円。建設に際し、市内15社から多額の寄付金が寄せられた。

 当初の展示内容は、スキー、考古、歴史、民俗、自然科学の5部門。「日本スキー発祥の地にふさわしい博物館を」との思いからスキー資料展示に力が注がれた。後に美術部門が加わり、平成13年には小林古径記念美術館を併設。スキー発祥記念館や上越科学館、上越市埋蔵文化財センターの建設に伴い、各施設へ展示資料を移管、現在は歴史・美術部門に特化した「歴史博物館」「小林古径記念美術館」として総合博物館の歴史を継承している。

開館当初から展示されている東本町2の山車(だし)飾。宮崎館長が手にする開館記念ポスターには、この展示物が描かれている
上越市の歴史や文化を紹介するさまざまな常設・企画展示が行われてきた

 歴史博物館では現在、美術品や古文書などの歴史資料約1000点、農具などの民俗資料約2万8000点を収蔵(中郷区や牧区の施設に分散収蔵)。総合博物館の開館から現在に至るまで、約360人(法人、学校などを含む)から資料の寄贈、寄託を受けたという。宮崎俊英館長(62)は「私で館長も16代目。長い歴史を市民と共に歩み、今がある。10月には市制50周年を記念する特別展を実施予定。今後も市民の知りたい、保存したいという声に応える博物館でありたい」と話していた。

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