巨人・菅野&坂本離脱で岡本和「3冠計画」再び!選手内の全役職を〝一極集中〟へ

プロ初のサヨナラ弾を放った岡本和がチームをけん引することになりそうだ

巨人の4番・岡本和真内野手(24)が9日のヤクルト戦(東京ドーム)でプロ初のサヨナラ弾となる7号3ランでチームを勝利に導いた。若き主砲を巡っては、さらなる成長を促すため、巨人選手内の全役職を〝一極集中〟させる「3冠計画」があるという。くしくも選手会長のエース菅野、主将の坂本が戦線離脱を余儀なくされた中で、いよいよ岡本和がリーダーシップを発揮することになりそうだ。

4―5の9回一死一、二塁で4番が燃えた。相手守護神・石山のスライダーを振り抜き、ライナーで右翼席まで運んだ。8回の7戦ぶり6号ソロに続く2打席連続弾はプロ初のサヨナラアーチでもあった。

4番の一振りによる逆転勝利に巨人ベンチはお祭り騒ぎ。岡本和はサヨナラ弾に、はにかみながら「初めてだったのでビックリしました」。原監督も「1点差になる前の(打席での)ホームランも大きいですしね。見事なホームランですね」と4番の働きを絶賛した。

試合前の時点で打率2割4分6厘、5本塁打と苦しんでいた。岡本和自身「最低限やることをできていない時が多い。試合に出ている限りは迷惑掛けないようにしたい」と、ふがいなさを感じていたという。

そんな主砲に対し、昨オフには「3冠計画」が進められていたという。どういうことか。現在の巨人にはキャプテン・坂本、選手会長・菅野、そして日本プロ野球選手会会長の炭谷と選手のリーダーが3人いる。そこでGナインの中から「和真にすべての役職を任せよう」との声が湧き起こったという。

昨季の岡本和は31本塁打、97打点でセ・リーグ打撃2冠に輝いた。成績的には十分ながら、先輩たちにはグラウンド内外でまだまだ〝若手〟に甘んじている部分が見えたようだ。リーダーを経験することで、プロ野球選手として成長を促す狙いがあったという。

実際、坂本は将来的な主将後継者に岡本和を指名。また菅野のメジャー移籍が実現していれば、選手会長も「空席」となるはずだった。

ところが日本シリーズで2年連続4連敗の屈辱を喫したことから坂本の7年目続投が決定。菅野も巨人残留で選手会長4期目となり、12球団の選手会長から選ばれるプロ野球選手会会長の座も一気に遠のいた。

この日の5回には一塁走者だった坂本が捕手からのけん制で帰塁する際に右手親指を骨折し、長期離脱が確実となった。菅野も右ヒジ違和感で8日に出場選手登録を抹消されており、岡本和が実質的な「リーダー役」を担うことになる。あくまで将来的な「3冠計画」だったが、その流れは確実に加速しつつある。

© 株式会社東京スポーツ新聞社