野党「五輪ファースト」の指摘に、菅首相が反論「大変失礼だ。ファーストではない」

答弁を巡って審議が中断した参院予算委員会。左中央が菅首相=10日午後

 菅義偉首相(衆院2区)は10日、衆参両院の予算委員会に臨み13人と論戦した。

 会期末まで約1カ月となった後半国会のヤマ場。「短期集中」を掲げた大型連休中の新型コロナウイルス対策を巡り甘さを追及され防戦に追われた一方、「失礼だ」と反論する場面もあった。

 衆院での審議で立憲民主党の枝野幸男代表は「宣言解除のたびに『専門家の意見でまとめた基準で判断した』と繰り返すが、そもそもその内容が甘い」と断言。「甘い基準が感染を拡大した。専門家におもねらず厳しい方針を選択するのが政治の責任」と指摘した。

 首相は「専門家に失礼ではないか」と色をなし、「判断の責任は私にあるが、基準づくりやその運用では客観的な手続きをとっている」と妥当性を強調。

 同代表は「リーダーシップを発揮すればもっと良い基準が立つ」などと切り返した。

 首相は同党の山井和則氏から「感染爆発下であっても開催にこだわる五輪ファースト」と政治姿勢を指摘されると「大変失礼だ。ファーストではないと明言する」と語気を強めた。

 「感染爆発下でも五輪を開くのか」との問いには「国民の命と健康を守っていくことが前提」と繰り返し、開催の是非の明言を避けた。

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