レイズ・崔志萬がまもなく復帰 注目される筒香嘉智の処遇

レイズは右膝の故障で開幕から故障者リスト入りしていた崔志萬(チェ・ジマン)が早ければ日本時間5月12日のヤンキース戦、遅くともゲリット・コールと対戦する翌13日の同カードから戦列に復帰するとみられている。そこで注目されるのが開幕からチェに代わる「左打ちの一塁手」として起用されてきた筒香嘉智の処遇だ。チェに代わってアクティブ・ロースターから外れることが有力視される筒香だが、ケビン・キアマイアーが故障離脱したことが筒香を助けるかもしれない。

チェは今月に入ってからマイナーの試合でのリハビリ出場を開始し、ここまで5試合に出場して打率.316(19打数6安打)を記録。最初の3試合は10打数1安打に終わったが、直近2試合で9打数5安打を記録し、メジャー復帰の準備が整ったとみられている。早ければ日本時間5月12日のヤンキース戦からメジャーに呼ばれる可能性があるものの、この日のヤンキースの先発は左腕ジョーダン・モンゴメリー。よって、レイズはチェのメジャー復帰をもう1日だけ先延ばしにして、コールと対戦する翌13日の試合から復帰させる可能性もある。

筒香は今季のスタメン出場19試合のうち、一塁手として11試合、指名打者として8試合に出場。しかし、チェの復帰以降は一塁手としての出場機会が完全に失われる可能性がある。今季はここまで26試合に出場して打率.167(78打数13安打)、4二塁打、0本塁打、5打点、OPS.462と極度の打撃不振に苦しんでおり、三振率は31%に達する(87打席で27三振)。筒香が担ってきた「左打ちの一塁手」という役割はチェと完全に被るため、レイズとしては無理に筒香をアクティブ・ロースターに置いておく必要がなくなるというのが実情だ。

よって、レイズは筒香の復調を促すため、マイナーでコンスタントに試合に出場させるという選択をする可能性がある。ただし、筒香の契約にはマイナー降格を拒否できる条項が盛り込まれており、筒香の同意なしにマイナーへ降格させることはできない。とはいえ、現在の筒香の成績ではFAとなったあとにメジャー他球団から声がかかる可能性も低いため、筒香はマイナー降格を受け入れるかもしれない。もちろん、FAとなって日本へ復帰することも選択肢の1つとなるだろう。

ただし、チェの復帰に伴って筒香がアクティブ・ロースターから外れるとは必ずしも断言できない。レイズはキアマイアーの離脱によって現時点では投手14人・野手12人のロースター構成になっているからだ。チェの代わりに投手1人をマイナーに降格させ、投手13人・野手13人の構成に戻すことも考えられる。キアマイアーの離脱で左翼オースティン・メドウズ、中堅マニュエル・マーゴ、右翼ランディ・アロザレーナの形がメインとなれば、指名打者が空く。少なくともキアマイアーの離脱中は、メドウズの14試合に次ぐ8試合で指名打者としてスタメン出場している筒香が指名打者での出場機会を確保するチャンスは残されているのだ。

筒香がロースター残留ギリギリの立場にいることは間違いない。ワンダー・フランコなどプロスペクトの昇格も控えているだけに、レイズでの居場所を確保するためには一刻も早くバットで結果を残すことが求められる。

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