【パラ陸上】金メダル候補・中西麻耶がIOCに要望「選手だけじゃなくて国民のみなさんにも」

中西麻耶

女子走り幅跳び(T64)で東京パラリンピック代表に内定している中西麻耶(35=阪急交通社)が、新型コロナウイルスのワクチン接種について私見を述べた。

現在全国各地でコロナの感染者が増えており、一部からは再延期や中止を求める声も飛び出している。そんな中、パラ陸上のテスト大会(11日、国立競技場)後の取材では「私は競技を始めたときから後ろ向きな意見を言われることがとても多かった」と振り返った上で「みなさんが経験したことのないことをすることについて、みんなが賛成してくれるわけではない。でも、開催したとしたら『開催してみんながよかったね』って思うような何かを残さないといけない」と切実な思いを口にした。

間近に迫った大一番を前に、国際オリンピック委員会(IOC)は選手団にコロナワクチンを無償提供すると発表したが「この流れの中でワクチンが行き届いていない日本にIOCが協力して、選手だけじゃなくて国民のみなさんにもワクチンを提供してほしい。せめて、開催地の東京都民のみなさんの分だけでも」と訴えた。

その上で「追加でワクチンを用意したりとか、何かこの出来事をプラスにできないか。本来は選手のワクチンも用意できるかどうか分からなかったと思うが、IOCが選手たちにワクチンを提供する話になった。その延長戦上で交渉して、より安心・安全に開催されるように、特に開催地の都民もみなさまのためにも、ワクチンを別枠でIOCから引っ張ったりとかすることにつながったいいのにな」と切に願った。

誰よりもパラリンピックの重さを知る中西だからこその言葉。無事に大会を開催するためにも、IOCは新たな策を講じたいところだ。

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