エンゼルス・大谷の三刀流起用に日本ハム・栗山監督は感慨深げ「米国が認めてくれた証明」

投・攻・守で存在感を放った大谷(ロイター)

エンゼルス・大谷翔平投手(26)が11日(日本時間12日)のアストロズ戦(ヒューストン)で先発投手、2番打者、外野手という「三刀流」を日米を通じて初解禁した。

この試合に「2番・投手」として先発した大谷は投げては7回4安打1失点10奪三振、打っては4打数1安打。降板した8回からは9回の打席に立たせるために右翼の守備につき1試合の中で投・攻・守3つの役割を始めてこなした。

ジョー・マドン監督は「(1ー5の)結果以外は全てうまくいった」と初の三刀流起用について触れながら「彼は何でも簡単そうにやり遂げるが、実際は容易ではないことを理解しなければいけない」と大谷の超スクランブル起用に自ら普通にできることではない、と言い聞かせることも忘れなかった。

一方で、このテキサスでの出来事に「大きな意味がある」と感慨深げに言及したのが、2ー1でオリックスに競り勝った日本ハム・栗山英樹監督(60)だった。

大谷の「二刀流」育成に最も深く関わりメジャーへと送り出した〝育ての親〟ともいえる指揮官は「(8回の外野守備は)会議があって見ていないんだけど、その前までは見ていた」としながら、この日の三刀流起用に関してこんなコメントを発した。

「一番大きな意味は(この試合に)二刀流で登録になったわけだよね。それがオレにとっては野球を変えていくという意味ですごく嬉しかった。本人も、もっと野球には新しい魅力だったりやり方があると思っていると思う。それは本当によかったし、褒めるつもりはないけど、アメリカの野球の人達が認めてくれた証明だと思う。そこに関してはとても感じ入るものがある」(栗山監督)

野球の母国・アメリカで常に100年前のレジェンド、ベーブ・ルースの記録が引用されるように、前例のないチャレンジが続く大谷に関して栗山監督は「ファイターズに来る時に『誰も歩いたことのない道を歩く』と決めてやっているわけだから、いつも心の常識を疑っているし、常識って何なんだ? といつも思っている。オレにとってはそういう風にみんなに思ってもらえるというのが翔平が頑張っている証明なんじゃないかな」と語り、大谷の前人未到の挑戦を変わらず後押ししていた。

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