川崎市が「やさしい日本語」ガイド本 企業や学校で役立てて

川崎市が発行した「やさしい日本語」のガイドライン

 川崎市は、外国人にも情報を分かりやすく伝える「やさしい日本語」の作り方を紹介するガイドブックを発行した。平易で明快な文章、会話の組み立てや言葉の選び方を指南するもので、行政機関だけでなく企業や学校で活用してもらうことを想定している。

 市内には2020年末現在で約4万5千人の外国人市民が暮らす。この5年で約1万2千人増え、出身国・地域も130を超える。人口比率は2.98%。

 市は英語と中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語などの6言語で広報をしているが、それで全ての外国人市民に対応できるわけではない。一方で「単語だけは分かる」「平仮名、片仮名なら読める」という人を含めると9割以上が日本語でコミュニケーションが可能だという。

 ガイドブックでは、▽誰に何を伝えるのかを明確にする▽「両親」は「お父さんとお母さん」とするなど難しい言葉は言い換える▽文節ごとに空白を入れる「分かち書き」をする─といったポイントを具体例を示して紹介。心得として「やさしい日本語」は「易しい=簡単」と「優しい=相手を思いやる」の二つの意味があると解説している。

 2千部作製。区役所や市民館など公共施設で配布し、市のホームページにも掲載している。

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