コロナ感染深刻化のインド選手が悲痛な叫び「練習できない」

インド・コルカタのワクチン接種センターの外で順番を待つ人々(ロイター)

新型コロナ禍が深刻化するインドで、東京五輪の代表候補選手が「練習できない」と悲痛な叫びを上げた。

インドメディア「ダイジワールド」によると、同国カルナータカ州政府が新型コロナウイルスの感染対策に伴う都市封鎖により、アスリートの練習も禁止された。

水泳男子100メートル背泳ぎのインド記録保持者のスリハーリ・ナタラジは「私はプールで1週間近くトレーニングをしていない。州政府はエリートスイマーであっても、プールを開くことを許可していない。オリンピックサイズの50メートルのプールでトレーニングしなけれならないのに」と語った。

ナタラジはインド代表の有力候補だが「州の水泳施設の再開に関する情報は何もないとコーチは言っている」と同メディアは指摘。練習再開のメドが立たず、東京五輪に向けて準備を進めることは難しいという。

「五輪に出場する水泳選手の予選は6月27日だが、インドのエリート選手は練習に苦労している。自治体の支援がなければ、定期的に練習することは不可能になっている」と代表チームのコーチは嘆き節。同国では新型コロナの変異種が猛威を振るい、感染拡大は危機的状況だけに東京五輪どころではないというのが実情だ。

インドを始め、満足に練習が行えない国は多く調整に格差が出ているのが現状。公平、公正な競技は望めそうもなく、開催を強行しても一部の国による自己満足のための大会となりそうだ。

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