ビワの糖度や傷み自動で判別 長崎南部の集出荷場 選果にIT活用

ビワの糖度などを自動で計測、表示する機器=長崎市、宮崎びわ集出荷場

 長崎県農林技術開発センターやJA長崎せいひなどでつくる長崎びわ生産コンソーシアム(後田経雄代表)は、IT技術を活用したビワの自動選果機を今月上旬から導入している。同JA管内の長崎南部にある宮崎びわ集出荷場(長崎市宮崎町)に設置。重量や糖度などを効率的に計測し、県産「なつたより」のブランド化につなげたい考えだ。
 県などによると、農林水産省から委託を受けた実証プロジェクトで、スマート農業の技術開発が目的。ビワは水分が抜けやすいため、収穫後すぐに選果作業に入り出荷する必要があるが、一連の作業は長時間に及ぶ。このため、集出荷場に自動選果機を導入することで、将来的に農家の負担を減らす狙いもある。
 現在、選果は一つずつ重さを計量し、見た目や傷などを目視で確認している。新たな自動選果機は、28個入りのトレーにビワをセットし近赤外線などを当てると、重量や糖度、内部腐敗の状態を検知。その後、トレーごとベルトコンベヤーで振り分け用のスペースに移し、画面に検知内容が表示される。プロジェクションマッピング機能を使い、ビワにも直接検知内容を投影し、選別の手作業を容易にした。イチゴにも使用できるという。
 県の担当者は「これまでは外観のみで(傷みなどを)判断していたが、食味重視の選果に切り替え、県産ビワのブランド化を進めたい」としている。

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