世界で最も権威ある医学誌が東京五輪開催ごり押しIOCに強烈ダメ出し「科学的根拠なし」

IOCのトーマス・バッハ会長(ロイター)

世界で最も権威ある医学誌も東京五輪に痛烈なダメ出しだ。

米医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)は、新型コロナウイルス感染拡大下での東京五輪についての論文を掲載。国際オリンピック委員会(IOC)について「五輪を進めるという決意は、最高の科学的証拠に裏付けられていない。プレーブックは、選手に自己責任で参加することを強いながら、選手が直面するさまざまなレベルのリスク評価が不十分。他の大規模なスポーツイベントからの教訓にも耳を傾けていない」と糾弾した。IOC自慢のコロナ対策本「プレーブック」に記された策と、専門家が考えうる望ましい策を項目ごとに表で対比し説明。「選手は自分のマスクを持参」という危機意識ゼロの項目に対しては「医学的に認証されたフェイスマスク、医療用マスクの配布」としている。

東京五輪については「中止が最も安全だろう」としながらも、「世界をつなぐきわめて稀なイベントである」と五輪の力を評価。「安全に我々がつながるために、迅速に適切な議論が行われるべきだ」と提案。「世界保健機関(WHO)は直ちに安全衛生、感染症疫学の専門家、および選手の代表者を含む緊急委員会を招集し、これらの要因を考慮し、五輪リスク管理アプローチについて助言することを推奨する」と緊急会議招集を訴えた。
開幕まであと2か月。専門家もびっくりの対策で「安心安全の開催」と連呼していたとは、驚くばかりだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社