【新型コロナ】「五輪中止し困窮者支援を」 横浜・寿地区の団体、市に要請

東京五輪への協力中止を訴えた寿越冬闘争実行委員会のメンバー=横浜市役所

 新型コロナウイルス感染症を巡り、横浜市中区の寿地区で日雇い労働者やホームレス(路上生活者)などの支援を行う「寿越冬闘争実行委員会」(高沢幸男事務局長)は27日、東京五輪・パラリンピックの中止を国や組織委員会に求めるよう林文子市長に要請書を提出した。

 要請書では、市民の命と医療を守る立場から五輪への協力は困難であると国などに申し立てるよう市に求めたほか、五輪予算を市民のコロナ対策や医療、福祉などに充てることなど4項目を盛り込んだ。

 要請書提出後には市役所で会見を開き、同実行委のメンバーで「寿医療班」の越智祥太医師は「底の抜けた貧困状況で、若者や女性にも困窮が広がっている」と強調。コロナ禍による失業などで住居を失った生活困窮者が急増していると訴えた。

 高沢事務局長は「野宿になるおそれがある人が大勢いる中で、五輪をやっている場合ではない。市は予算や人を困窮者支援に回してほしい」と求めた。

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