横浜の小中学生、空襲犠牲者に平和誓う「戦争絶対いけない」

平和祈念碑を前に、横浜大空襲を語る池谷さん(正面左)と宮部さん(同右)=横浜市中区の大通り公園

 横浜大空襲から29日で76年となるのを前に、横浜市立南吉田小学校(同市南区)と横浜吉田中学校(同市中区)の児童生徒が28日、地元の大通り公園にある平和祈念碑を訪れた。犠牲者名が刻まれた銘板を見学し追悼。戦災遺族らが語る言葉に触れ、平和の尊さをかみしめた。

 南吉田小の3年生約110人は3回に分けて訪問した。横浜戦災遺族会会長を務めた池谷倫代さん(66)=同市戸塚区=は「多い所ではシングルベッド1台分の場所に10発の焼夷(しょうい)弾が落とされ、1万人近くが亡くなったとされる」と甚大な被害を説明。「平和の大切さ、命の大切さを伝えるピースメッセンジャーになって下さい」と呼び掛けた。

 児童は銘板に刻まれた犠牲者の氏名や年齢に触れながら生きた証しを感じた様子。高野ななみさん(8)は「とても悲しかったと思う。戦争は絶対にいけない」と真剣な表情で話した。

 横浜吉田中の生徒会メンバー7人は祈念碑に献花し、犠牲者の冥福を祈った。空襲当時は郊外に疎開し、被災を免れたという宮部健さん(85)=同市泉区=はひもじかったという戦中戦後を振り返り「戦争は間違っている」と語り掛けた。

 銘板は祈念碑内部に納められ、29日午前9時~午後5時に特別公開される。

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