【東京五輪】酒類持ち込み問題 理論上OK、感情論NG…賛否真っ二つ

酒類の持ち込みが許可される五輪選手村

東京五輪・パラリンピック大会の選手村で「アルコール類の持ち込みが可能」という一部報道が大きな反響を呼んでいる。具体的には、選手村内で酒類の販売は行わないものの、選手同士の交流を目的として「持ち込み」は可能だという。これに対し、世論は真っ二つに割れている。

まず容認派の主な意見は「選手はワクチン接種済みだから理論上の問題ない」という主張。東京五輪に参加するアスリートに関しては、すでに国際オリンピック委員会(IOC)からファイザー社製ワクチンの提供が発表されている。また、大会組織委員会が公表しているプレーブック(規則集)では全選手の定期的なPCR検査も義務付けられており、容認派からは「これを否定するのは非科学的だ」「完全に五輪に対する言いがかり」との意見が目立つ。

一方、否定派は「国民感情」を訴える。医科学的、理論上は問題ないものの、SNSでは「国民みんなが我慢しているのに納得できない」「飲食店には酒類の提供を許さず、選手はOKは怒りを買って当然」と怒りの声が飛ぶ。この背景には五輪自体に対する反感が見え隠れしている。

共産党の志位和夫委員長(66)はツイッターで「こういう姿勢が、選手と国民の分断を招いている」と指摘。これにも賛否が分かれており、「コンビニでお酒買って家で飲むのと何が違うの??」と疑問視する声もあれば、「わざわざ国民感情を逆なでする必要はあるのか?」と追随する意見も。

開幕まで残り2か月を切ったが、国民一致団結というムードには程遠い。

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