政府、首相答弁そのまま引用 五輪開催問う質問主意書に「不誠実な対応」

 政府は4日、新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言の発令中でも東京五輪・パラリンピックを開催するべきと考えているかを問う質問主意書に対して、「(コロナ)対策を徹底することで国民の命や健康を守り、安全安心の大会を実現することは可能だ」などとする答弁書を閣議決定した。

 ただ、5月19日の参院本会議での首相答弁をそのまま引用して「総理が述べている通りだ」と結論付けており、質問主意書を提出した立憲民主党の中谷一馬氏(衆院比例南関東)は「不誠実な対応で国会軽視も甚だしい」と批判している。

 質問主意書は、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長が21日に緊急事態宣言が発令されていても大会は開催できるとの認識を示したことを受け、政府の見解を問う内容。

 24日付で提出していたが、答弁書に記載されていた首相答弁はコーツ氏の発言よりも以前のものだった。

 中谷氏はこうした経緯を指摘した上で「質問日より前の趣旨に合わない答弁を引用することは国会軽視であり、はぐらかす姿勢に憤りを感じる」と強調。「われわれは国民の疑問や意見を代行する立場。政府は逃げずに正面から向き合うべきだ」と苦言を呈した。

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