地域薬局を拠点とした健康寿命延伸事業「水都大垣セルフケア・トライアル」開始/岐阜県薬剤師会・大垣薬剤師会・セルフケア推進協議会の共同事業

【2021.07.26配信】地域薬局を拠点として健康寿命延伸を図る「水都大垣セルフケア・トライアル」が開始される。岐阜県薬剤師会、大垣薬剤師会、日本セルフケア推進協議会の共同事業となる。

岐阜県薬剤師会、大垣薬剤師会、日本セルフケア推進協議会の共同事業として、「水都大垣セルフケア・トライアル(SOS Trial)」を実施する。

健康寿命延伸が課題となっている現代日本において、人々の健康のための行動変容をサポートする体制を構築することが重要で、薬局薬剤師の社会的使命として人々の生活習慣の改善指導を含む健康管理のサポートへの貢献が期待されていることが背景とする。

事業の目的としては、薬局薬剤師による生活習慣修正のための指導効果について、症例集積(case-series)研究として探索的に検討する。

評価項目は、観察期間中における血圧、体重、活動量、血液のにごり度の測定回数及び測定値、精神的・身体的フレイルの調査。結果、行動変容の調査結果、薬剤師の指導に関する調査結果。

対象は、薬局薬剤師が自宅で機器や健康アプリによる生活習慣の管理が可能と判断した、20歳以上の者(目標症例数は60名)。

方法は参加者の登録後、参加者の自宅での測定データ(血圧、体重、活動量、血液のにごり度、食事の記録)を記録した健康アプリをもとに、月1回以上の薬局来局時に、薬剤師が高血圧治療ガイドラインに従って生活習慣について指導を行う。また、参加から6ヵ月後の最終来局時には、精神的・身体的フレイル、行動変容に関するアンケート、薬剤師の指導に関するアンケートを行う。参加者の背景情報も収集し、期間中に得られた測定結果やアンケート結果とともに記述する。

研究期間は2021年7月14日〜2022年6月30日。

研究組織は、以下の通り。
研究代表者は日比野 靖氏(一般社団法人岐阜県薬剤師会会長)。
アドバイザーは堀美智子氏(一般社団法人日本セルフケア推進協議会(JSPA)理事、医薬情報研究所取締役、株式会社エス・アイ・シー 医薬情報部門責任者)。
薬学専門家は永瀬久光氏(岐阜医療科学大学薬学部長)。
研究事務局は大垣薬剤師会。

このプロジェクトは、地域全体の活性化と健康寿命の延伸を可能にする方策及びサポート体制の構築を、地域薬局を拠点とした健康状態の管理、食生活の改善、人との交流増加による生活の活発化という側面から検討する。

また、同プロジェクトと合わせて、参加する住民、薬局、かかりつけ薬剤師向けのサービスとして、生活者の健康管理に役立つ製品をルート最適化システム「Loogia(ルージア)」を活用して届けるサービスと、様々な薬局業務支援機能を兼ね備えた電子版お薬手帳を提供し、健康を多方面から支えていく仕組みを検討する。

なお、本プロジェクトにおいては、岐阜県大垣市とも連携し、オムロン ヘルスケア株式会社(本社所在地:京都府向日市、代表取締役社長:荻野 勲氏)、株式会社オプティマインド(本社所在地:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下 健氏)、株式会社 CLINICAL STUDY SUPPORT(本社所在地:愛知県名古屋市、代表取締役社長:磯村 達也氏)、興和株式会社(本社所在地:愛知県名古屋市、代表取締役社長:三輪 弘氏)、太平洋工業株式会社(本社所在地:岐阜県大垣市、代表取締役社長:小川 信也氏)、メディカルフォトニクス株式会社(本社所在地:北海道札幌市、代表取締役:飯永 一也氏)、株式会社メディカルフロント(本社所在地:東京都中野区、代表取締役:島崎肇氏)、株式会社リンクアンドコミュニケーション(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:渡辺 敏成氏)といった各企業の協力のもと、健康をトータルとしてサポートできる長寿地域(ブルーゾーン)を目指して実施する。

プロジェクトの背景について、日本セルフケア推進協議会は次のように説明している。
“現在、日本は世界に類を見ない少子高齢化と人口減少の時代を迎え、その時代をどのように乗り越えていくかが重要な課題となっています。また、生活者が安心して暮らせる地域社会や社会保障制度の継続に向け、解決策を見出すことが急務となっています。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、外出自粛や三密を控えた生活が長期化しており、特に高齢者では生活不活発によるフレイルやうつ等の健康への影響が危惧されています。
このような中、一般社団法人日本セルフケア推進協議会は、医薬品メーカー、薬局・ドラッグスト
ア、医師、薬剤師、民間保険会社、自治体、税理士、有識者等の方々にご参加いただき、「日本型
セルフケア」を推進するために「健康サイクル」を効果的に回す方策を検討し、国民の健康寿命延
伸に貢献する健康活動に取り組んでいます。”

こうした背景の下、地域薬局が介入するメリットのエビデンスを示していきたい考え。

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