エルデカルシトールおよびアルファカルシドール供給不足に伴う骨粗鬆症患者への対応に関する提言

【2021.07.27配信】日本骨代謝学会と日本骨粗鬆症学会は、エルデカルシトールおよびアルファカルシドール供給不足に伴う骨粗鬆症患者への対応に関する提言をまとめた。骨粗鬆症診療に携わる医療機関向けの提言。

日本骨代謝学会と日本骨粗鬆症学会は7月19日、「骨粗鬆症診療に携わる医療機関の皆様へ」として、「エルデカルシトールおよびアルファカルシドール供給不足に伴う骨粗鬆症患者への対応に関する日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会による提言」を公表した。

両学会は、「既にご案内のように、エルデカルシトールおよびアルファカルシドールの供給が不足する事態となっております。いずれも骨粗鬆症治療において、重要な役割を果たす薬剤であり、何らかの対応を考える必要があります」とした上で、「一方で、医療全体からみた重大な問題として、アルファカルシドールは副甲状腺機能低下症や腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症、くる病・骨軟化症患者において必要度の極めて高い薬剤であるため、これらの疾患の患者に対するアルファカルシドールの供給を確保するために最大限の努力を払うことが必要となります。したがって、エルデカルシトール供給不足の代替策として、骨粗鬆症患者への処方をアルファカルシドールに切り替えることは避けるべきであると考えます」とした。

両薬剤の供給が回復するまでの間の対応策として、両学会は以下の内容を提案した。

1) エルデカルシトールをアルファカルシドールに変更することは避ける。
2) 新規に骨粗鬆症治療を開始する場合は、エルデカルシトールやアルファカルシドールは避ける。
3) アルファカルシドールもしくはエルデカルシトールを他の薬剤と併用している場合は、必要性を検討し、短期間休薬できるようであれば一旦休薬する。
4) デノスマブと併用の場合は、可能であればエルデカルシトールやアルファカルシドールをデノタスに変更する。
5) エルデカルシトールやアルファカルシドールを単剤で処方の場合は、他の薬剤への変更を検討する。なお、骨粗鬆症治療は中断しないことが望ましい。
6) ビタミン D 不足・欠乏に対しては、サプリメントとして天然型ビタミン D の補充を考慮する。
7) アルファカルシドールもしくはエルデカルシトールを処方する場合は、できる限り長期処方を避ける(30 日処方までとする)。

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