ナショナルズのベテラン捕手・アビラ 今季限りで現役引退へ

日本時間9月20日、ナショナルズの34歳のベテラン捕手、アレックス・アビラは「いいことには終わりがある」と語り、今季限りでの現役引退を表明した。アビラは引退後、家族と過ごす時間を増やし、酷使してきた自身の身体を休ませたいと考えているようだが、その一方で「野球から長く離れるつもりはない」という。「野球に関わらないということはないと思う。野球に関わる何かをするつもりだ。僕は野球が大好きだからね」とアビラ。第二の人生も野球と関わりながら過ごしていくことになりそうだ。

アビラは今年2月に1年150万ドルでナショナルズと契約。今季がメジャー13年目のシーズンということもあり、豊富な経験を持つ控え捕手としての働きを期待されていたが、2度の故障者リスト入りがあり、ここまで29試合に出場して打率.179、1本塁打、7打点、OPS.680と不本意な成績に終わっている。

自己ベストのシーズンはタイガース時代の2011年で、この年は自己最多の141試合に出場して打率.295、19本塁打、82打点、OPS.895の好成績をマーク。キャリア唯一のオールスター・ゲーム選出を果たし、シルバースラッガー賞も受賞した。13年間のメジャー生活で6球団を渡り歩き、通算1047試合に出場して打率.233、105本塁打、395打点、OPS.740をマークしている。

アビラの父はタイガースのGMを務めており、2017年7月には父によってタイガースからカブスへトレードされたこともあった。アビラは「引退後にどんなチャンスがあるか、今からワクワクしている。父と一緒に働くことになるかもしれないし、そうでないかもしれない。野球は僕の人生の一部であり、今後も関わっていきたい」と話しており、父と同様、野球人としての人生を貫くことになりそうだ。

13年間のメジャー生活を振り返ったアビラは、自身のキャリアのなかで印象に残っていることとして「タイガース時代にワールドシリーズを制覇できなかったこと」を挙げている。現在はトレス・バレーラ、ライリー・アダムス、キーバート・ルイーズといった若手捕手たちに自身の経験を積極的に伝えており、ワールドシリーズ制覇の夢を後輩たちに託してユニフォームを脱ぐ。

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