<コリア・ニュース・コラム>ウェブ会議は「Zoom」よりも「楽園」

新型コロナの変異株が世界に暗い影を落とす中、朝鮮では依然として感染者は「ゼロ」だ。

WHOが公表する朝鮮での検査結果からも明らかだが、現地に暮らす住民の言質によっても裏付けられる。「よど号」メンバーの一人は最近、トークイベントに平壌から国際電話で出演し「感染者は聞いたことがない」と断言した。

朝鮮のWEB会議システム「楽園」

コロナパンデミックにより世界的にウェブ会議が浸透したが、さまざまなシステムの中で日本でのトップシェアが「Zoom」(約8割)なら、朝鮮でのトップシェアは「楽園」だ。

2011年に導入されたこのシステムは、金日成綜合大学先端科学研究院のIT研究所が開発したもの。

ちなみに「Zoom」を提供するのは米国のIT企業だ。朝鮮独自の「楽園」はシステムアップデートを経て、2019年から本格的に普及が進んだ。映像および音声の転送、データ共有、録画保存などにも対応する。

教育と医療、次いで農業部門ではすでに浸透が進んでいたが、コロナ対策下で昨年来、党や内閣においてもウェブ会議の利用は急速に拡大した。

内閣総会拡大会議はウェブ会議形式が定着し、昨年6月には金正恩総書記の参席の下、党中央軍事委の予備会議でも利用され注目を集めた。最近では各機関や団体、各部門の会議や学術行事にいたるまでウェブ会議が採用されている。

「感染者ゼロ」の朝鮮でも新しい生活様式は確かに実践されており、その変化が興味深い。

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