11月取り壊し予定の川崎・多摩川スピードウェイ遺構 保存求める市民団体が撮影会

多摩川スピードウェイの観客席の遺構を背景に行われた撮影会=川崎市中原区

 川崎市中原区の多摩川河川敷に開設された日本初の常設サーキット「多摩川スピードウェイ」の遺構を壊す堤防強化工事が浮上している問題で、保存を訴えている市民団体「多摩川スピードウェイの会」などが4日、遺構の姿を残そうと撮影会を行った。

 全面保全に向け、同会が国土交通省京浜河川事務所に提案した代替工法は却下されたが、部分保存を引き続き訴えていくという。

 遺構は、約350メートルにわたる階段状のコンクリート製観客席。遺構を壊す同事務所の計画に対し、同会は治水と全面保存を両立できる代替工法を提案していたが、9月中旬に却下されたという。

 また川崎市も同月中に「市として工事、維持管理は行わない」と同会に回答。今月15日から遺構は囲われ、11月に取り壊しが始まる見通しという。

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