全日本プロレスのエース・宮原健斗(32)が、連覇がかかる「世界最強タッグ決定リーグ戦」(13日、後楽園で開幕)へ悲壮な覚悟を明かした。
どこまでも陽気な男が、珍しく神妙な面持ちだった。「もう後がないんですよ。年末を無冠で迎えるわけにはいかないんで」と自らに言い聞かせるように口にした。
今年は青柳優馬とのコンビで世界タッグ王座を保持していたが、9月に諏訪魔&芦野祥太郎に敗れて王座陥落。代名詞の3冠ヘビー級王座は10月に王者ジェイク・リーに挑んだが、60分時間切れドローにより王座返り咲きに失敗した。春のチャンピオン・カーニバル、秋の王道トーナメントでも頂点に立てなかった。
年内で残されたタイトルは最強タッグのみ。これを落とし、丸腰での越年となると、全日本に入団した2014年1月以来の非常事態となる。「さすがにそれはまずいでしょ。今の全日本は本当に流れが早いから、このままだと置いていかれる」と頭を抱える。
しかも10月31日後楽園大会は第3試合での出場だっただけに「実際そういう扱いになり始めてるんです。ここで何とかしないと、年明けは第1試合、それどころか2年後にはお笑い部門の担当になってるかもしれない…」と危機感を募らせた。
だからこそ最強タッグは負けられない。優勝した昨年に続き青柳とのコンビでの出場を控え「連覇の資格があるのは俺たちだけ。無冠の帝王にならないためにも勝って、年明けに世界タッグを取る」ときっぱり。再び王道マットの中心に躍り出ることができるか。