数万人を網羅、遠隔教育システムのレベル向上 先端を担う金策工業総合大学の取り組み

朝鮮では情報通信網を利用した遠隔教育が進んでいる。2006年に金正日総書記が金策工業総合大学(平壌)の電子図書館を現地指導したことがきっかけとなり、遠隔教育のシステム開発・導入が本格化した。

 現在、多くの大学が遠隔教育を実施しているが、いまも金策工業総合大学が遠隔教育の科学化、実用化のレベルを高める上で中心的役割を担っている。

 同大学の遠隔教育学部では、今年、新たな授業方法を始めた。

金策工業総合大学の遠隔教育学部(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 その一つは、学生たちが遠隔教育のシステムを使って必要な科目を自らが選定して学習できるようにした。従来は学生たちが同じ科目を学んでいた。 

 また、専攻科目の授業と外国語の授業を結合させ、学生たちの外国語のレベルを一段と高められるようにした。

 学生たちがハイパーメディア形式の資料を双方向で交換しながら講義を受けられるようにした。

 この他にも、講義と実験の結合、学生の着想力を高める教育方法とVR・AR技術の応用など、技術革新による教育方法の改善を進めている。

 現在、企業や工場で働く人々も、金策工業総合大学の遠隔教育システムに網羅されている。その数は数万人に及ぶ。

 今年も遠隔教育を受けた人々が技術革新と発明によって企業、工場の増産と設備近代化に寄与したという。

そのうち190人が価値ある研究成果を収めて学位所有者になったと国内メディアは伝えている。

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